日本の先端農業IoT技術で国際協力コロンビアの研究管理者チームが「e-kakashi」導入現場を視察

Written by Mika | 16/08/09 10:58 | 0 Comments

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日本の先端農業IoT技術で国際協力コロンビアの研究管理者チームが「e-kakashi」導入現場を視察

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PSソリューションズ株式会社
与謝野町
東京大学大学院農学生命科学研究科岡田研究室
中部大学国際GISセンター本多研究室
国際熱帯農業センター(CIAT)
コロンビア稲作生産者組合(FEDEARROZ)
ラテンアメリカ水稲基金(FLAR)

 

 

ソフトバンクグループのPSソリューションズ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:鬼頭 周、以下PSソリューションズ)と、与謝野町町長 山添藤真、東京大学大学院農学生命科学研究科教授岡田謙介、国際熱帯農業センター(CIAT)客員研究員小川諭志、中部大学国際GISセンター教授本多潔は、2016年5月24日に、日本とコロンビアの研究機関による国際共同研究プロジェクト(以下プロジェクト)の一環として、Internet of Things (モノのインターネット、以下IoT) を活用した最先端の農業支援ソリューション「e-kakashi」の活用現場である与謝野町の稲作および施設栽培現場へ、コロンビアの研究管理者チームをご案内しました。

 

南米第3の大国コロンビアでは、2012年に発効された米国との自由貿易協定(FTA)により、920品目の農作物の関税が順次撤廃されることが決定しました。コロンビアにとってコメは比較的新しい作物ですが、現在では1人あたりの年間消費量が40kgを超え、一年生作物で同国最大の栽培面積を占める重要作物となりました。しかしながらFTAのために、現在80%の関税が段階的に撤廃され、2030年には完全自由貿易が始まることとなっています。コメの需要はさらに高まりつつありますが、気候変動などの影響で収量が低迷しており、さらに灌漑水・施肥成分の利用効率が低いため、生産コストが例えば米国のそれよりも20〜30%高く、コロンビアのコメは将来輸入米に太刀打ちできなくなると予想されています。この課題の解決に必要である国際競争に勝つための知見を得ることを目的とし、日本の先端農業IoT技術の活用現場を視察(以下視察)しました。

 

日本でも昨年、計31分野からなる環太平洋経済連携協定(TPP)についての交渉が大筋で合意されたように、貿易の自由化は国際的なトレンドであることから、農業もグローバルな産業への変革を迫られています。その中で農業IoTのように、精緻なデータの集積と分析を行い、科学的な根拠をもって栽培の効率化や高品質化に結び付けていく手法は、欠かせないものになっていくと考えられています。本視察参加グループは今後も継続的に研究開発を進め、農業IoTの発展に貢献できるよう努めてまいります。

 

 

■視察の詳細と各団体の取り組み

<コロンビア視察団>

コロンビアの農業農村開発省(MARD)、稲作生産者組合(FEDEARROZ)、ラテンアメリカ水稲基金(FLAR)から、プロジェクトの関係者4名からなる視察団が訪れました。

農業農村開発省はプロジェクトにおけるコロンビアの代表機関として、ラテンアメリカ水稲基金は国際機関としてプロジェクトで得られた技術をコロンビア国内のみならずラテンアメリカに普及することを目的に、稲作生産者組合は現地の農家との橋渡し役として参加しました。

Fedearroz; http://www.fedearroz.com.co/new/index.php

FLAR: http://flar.org/

 

<与謝野町>

視察においては、京都府与謝郡与謝野町町長山添藤真と与謝野町の担当者から「新しい農業モデル確立協議会」による「e-kakashi」を活用した取組みについて紹介されました。

当協議会は、三重大学大学院生物資源学研究科の亀岡孝治教授が会長を務め、与謝野町、与謝野町農業再生協議会、三重大学、立命館大学、信州大学、PSソリューションズ株式会社、株式会社八代目儀兵衛、与謝野町担い手農業者会議、京都府丹後広域振興局農林商工部丹後農業改良普及センター、京都府農林技術センター丹後農業研究所、リフレかやの里運営協議会で構成される評議会です。①新しい地域資材を用いた有機質肥料の製品開発調査、②有機質肥料を更に効果的に利用するためのIT技術(環境モニタリング)を融合させた新規性のある農法の実証実験の実施、③高品質かつ環境に配慮した農業事業の可能性の調査を行っています。

与謝野町:http://www.town-yosano.jp/wwwg/index.jsp

 

<東京大学>

東京大学農学生命科学研究科は「遺伝的改良と先端フィールド管理技術の活用によるラテンアメリカ型省資源稲作の開発と定着」の研究代表機関として、プロジェクト全体をまとめています。

農学生命科学研究科教授の岡田謙介をはじめ、プロジェクト参加メンバーは積極的にコロンビアを訪問し、研究のとりまとめから成果発表、そして現地の主体となるパートナーや農家との意見交換を行っています。先進的な農業IoT技術を現地の状況に適応させることにより、生産性が高く生産コストの低い新規稲作システムを構築し、コロンビアに普及、定着させることを目指しています。

農学生命科学研究科農学国際専攻:http://www.ga.a.u-tokyo.ac.jp/index.html

 

<国際熱帯農業センター(CIAT)>

プロジェクトにおける国際熱帯農業センター(CIAT)の役割は、主に育種ですが、センターとしてEco-Efficient Agricultureを掲げており、プロジェクトを通じて、新品種の節水管理、低資源投入型の栽培方法の実現を目指しています。直近の取り組みとして、「e-kakashi」を海外で初めてコロンビアに導入し、コロンビアの異なる栽培環境(カリ地方、イバゲ地方、サルダニャ地方など)において信頼できるデータの収集と、アプリケーションの開発等を進めることで、投資を促し、将来的に農業のIoT化をコロンビア政府、稲作生産者組合(FEDEARROZ)および農家単位で発展させることを目標としています。これらの取り組みを通して、プロジェクトの目標である「省資源稲作の開発および定着」につなげたいと考えています。

国際熱帯農業センター:https://ciat.cgiar.org/

 

<中部大学>

教授の本多潔は、視察において、環境データを活用した作物生育シミュレーション、農業情報の相互運用性(インターオペラビリティ)について紹介しました。視察団の方々が持つ技術課題と合致するプレゼンテーションとなり、活発な議論と意見交換が行われました。

本多研究室が研究、開発する作物生育シミュレーションでは、中長期の気象予測や気候変動を織り込んだ100通りもの気象シナリオを生成し、近未来の気象を予測することで、播種時期などが農作物の収量、品質に与える影響を推定、農作業の最適化を行うことができます。相互運用性は多様な情報を扱う農業IoTサービスを連携させるための大変重要な技術です。この技術と連携することで、過去から現在までの環境を把握できるだけなく、近未来の環境予測、さらには予測に基づく農作業の意思決定支援まで可能になることが期待されます。

中部大学国際GISセンターおよび工学研究科教授本多潔(Research Gate):https://www.researchgate.net/profile/Honda_Kiyoshi

 

<PSソリューションズ>

PSソリューションズは、視察において「e-kakashi」の仕組みについて紹介したのち、実機が設置されている圃場を案内し、運用を担当しているベテラン農家との意見交換の場を提供しました。

「e-kakashi」は圃場から環境情報や作物の生育情報を収集し、クラウドで分析、わかりやすく可視化した結果をフィードバックするソリューションです。気象データなどをリアルタイムで共有するセンサーはすでにコロンビア国内でも導入されていますが、「e-kakashi」のように分析やダイヤリー機能などのアプリケーションまでを一括に管理するシステムはまだなく、今後の農業におけるビッグデータの管理にも一役を買うことが期待されています。

PSソリューションズ株式会社:https://www.pssol.co.jp/

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■視察の様子

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与謝野町の取り組みを紹介する与謝野町町長山添藤真

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「e-kakashi」の概要について説明するPSソリューションズ CPS事業本部本部長山口典男

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「e-kakashi」と作物生育シミュレーションについて説明する中部大学教授本多潔

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庁舎に設置された「e-kakashi」の視察風景

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ハウス内に設置された「e-kakashi」の視察

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水田に設置された「e-kakashi」の視察

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与謝野町のベテラン農家様との情報交換

(写真右から)農業農村開発省環境管理気象変動グループコーディネーターNelson Enrique Lozano Castro、ラテンアメリカ水稲基金(FLAR)事務局長 Eduardo Graterol Matute、コロンビア稲作生産者組合(FEDEARROZ)技術部次長Myriam Patricia Guzman Garcia、(一人おいて)コロンビア稲作生産者組合(FEDEARROZ)イバゲ支所栽培専門家Luis Armando Castilla Lozano

 

※日本とコロンビアの研究機関による国際共同研究プロジェクトについて

コロンビアの稲作は、水田の灌漑基盤が不十分で、水や肥料の利用効率が低く、加えて田面の水深が一定せず雑草の抑制が困難であることから、除草剤の使い過ぎによる環境問題等で生産力が低下しています。さらに、近年では気候変動の影響や貿易の自由化により農業を取り巻く環境は大きく変化しており、食糧安全保障を確保し、国際競争力のある持続可能な農業の実現が求められています。

この現状を打開するために、日本とコロンビアの研究機関による国際共同研究プロジェクトが、科学技術振興機構(JST)と国際協力機構(JICA)の出資によるSATREPS(地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム:http://www.jst.go.jp/global/index.html)として2014年に始まりました。このプロジェクトでは、新規遺伝子利用により改良根系を持つ節水・節肥料型イネ新品種を開発するとともに、先端的なフィールド管理技術を導入して現地状況に適応させることにより、生産性が高く生産コストの低い新規稲作システムを構築しコロンビアに普及・定着させることを目指しています。

 

■視察概要

日時:2016年5月22日(日)

場所:京都府与謝郡与謝野町

視察ソリューション:「e-kakashi」(https://www.e-kakashi.com/

 

・「e-kakashi」はPSソリューションズの登録商標または商標です。

・この報道発表資料に記載されている会社名および製品・サービス名は、各社・各団体の登録商標または商標です。

 

■本リリースに関するお問合わせ

PSソリューションズ株式会社 広報部
E-Mail: pr@pssol.jp

 

Topics: Case Studies, News

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